コードという名の鎖 第1話「魔の時間」

「助けてーここから逃がしてーなんで動けないのーー」

「美沙さん、どうしたの?あっ、あんなにコードが絡まってたら、動けないじゃない。」

みなさん、コードというと、何を連想しますか?

  1. コンセントのコード
  2. 電話線のコード
  3. 音楽のコード(和音)
  4. コンピューターのコード(プログラム言語)
  5. スピリチュアル界隈でのコード

どれを選びましたか?

ここでお話しするのは、5番のスピリチュアル界隈で使われる「コード」のこと。

でも、これはスピリチュアルに縁のない人にも、深く関わりのある話です。

むしろ——あなたが今、誰かのことが頭から離れないなら。やめたいのにやめられないことがあるなら。疲れているのに、なぜか特定の場所や人に引き寄せられるなら。

それは、コード。

コードとは何か——イタリアの神経科学者の発見

1990年代、イタリアのパルマ大学でひとつの偶然が起きた。

神経科学者ジャコモ・リゾラッティの研究室。サルの脳に電極を刺して実験していたある日、研究助手がコーヒーカップに手を伸ばした瞬間——何もしていないサルの脳のニューロンが、突然発火した。

自分は動いていない。ただ、見ていただけなのに。

これが「ミラーニューロン」の発見だった。

人は他者の行動を見るだけで、脳の中で同じ動作を自動的に再現する。感情も、意図も、痛みさえも。意識とは関係なく、勝手に。

これを「ミラーリング」という。

ミラーリングは一瞬の鏡。その場限りの反応。

でもコードは違う。

離れていても、時間が経っても、ずっとつながっている線。

占い依存が「やめられない」本当の理由

心理カウンセラーのc先生は、ミラーニューロンの発見からこう問いかけた。

「人の脳は、無線LANのようにつながっているのではないか?」

そして、もしそうだとしたら。

強者から流れてくる暗示を遮断すれば、本来の自分を取り戻せるのではないか、と。

さらに先生はこう言う。

急に不快なことを思い出してイライラするのは、自分が相手のことを思い出したからではない。

相手がこちらを思い出して、つながってきたから。

そして、知らないうちにミラーニューロンを通じて脳の中を支配されてしまうと、自分の感覚が自分のものではないと感じながらも、どうしたらいいのかわからなくなる。

これが「コード」の正体だと、私は理解した。

見えない。触れない。でも確実に、張られている。

大嶋信頼先生の本に出会ったとき、私は思った。

ここに、私がいる。

占い依存の説明がついた。消えない苦しみの理由も。長年わからなかったことが、腑に落ちた。

救われたと、思った。

そしてずっと後になって知った。スピリチュアル界隈では、みんなとっくにこの言葉を使っていたことを。

相澤美沙、44歳。魔の時間

午後10時37分。

東京郊外のある部屋に、明かりがひとつ灯っている。

相澤美沙、44歳。派遣社員。独身。

ソファに座ったまま、スマホを握りしめていた。

仕事から帰ってきた。

今日も、あの視線があった。

IT会社の社長秘書。

何もしていないのに、じっとこちらを見ている。

いや、監視しているかのよう。

会社の利益のために、ただ一生懸命働いているだけなのに。

私、何かした?

答えは出ない。胸だけが、重い。

電話したい。

でも、待とう。もうちょっとだけ。

あと30分。いや、45分。

スマホを置いた。

でも胸のざわめきは、まだそこにある。

深呼吸した。ゆっくり口から細く吐いて。

ダメだ。ざわめきが止まらない。頭もグルグルしてきた。

占い依存の夜——コードが動き出す

でも45分は、持たなかった。

気づいたら、通話履歴を開いていた。

一番上に、その名前がある。

「涼子先生」

ちょっとだけ。少し話すだけ。

そう思いながら、指が動いた。

「はい、涼子です。」

軽やかで、落ち着いた声。

ハチミツみたいに甘くて。

一瞬にして口の中に広がり、心を溶かし、コーティングされるよう。

はぁ~。

その声が耳に入った瞬間、胸の重さが、すうっと溶けていく気がした。

「先生、今日もしんどくて。」

「そうだったの。どうぞ。」

たったそれだけで、美沙の目に涙が滲んだ。

30分で終わるつもりだった。

でも気づけば、60分。90分。100分。

しゃべりながら、不思議なことが起きていた。

美沙の意識が、どこか遠くに飛んでいく。体だけがそこにあって、魂はどこかに避難していた。

そして本当に大切なことは、一度も話さなかった。

大切な人のこと。本当の夢のこと。深いところにある、本物の美沙を——涼子先生は知らなかった。

意志の弱さじゃない。コードをつけられているから

電話を切った。

心は軽やかだった。

また明日も頑張れる。

温かい気持ちで、目を閉じた。

でも ほどなくして現れた 『罪悪感』。

またやってしまった。またお金を使った。またあの番号に電話した。

明日も懺悔で1日が始まるのだろうか。

これが毎晩続いた。

やめようと思った。何度も。

でもやめられなかった。

意志が弱いから?

違う。

美沙が弱いんじゃない。

コードをつけられているから。

そして、美沙はピュアだった。

だから、コードをつけられていることすら、気づかなかった。

大嶋先生の本とも、出会っていない。

まだ……

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