先祖に光が差し込んだ日|コードという名の鎖・第7話

家系 コード

「やめてーーー、もう解放してよーーー、いい加減にしてよーーー」

古いアパートに絶叫が響き渡る。

めでたい正月に。

美沙の涙が止まらない。

テーブルの上に、一枚の年賀状。

勝手に出て行かれて、美沙さんはよろしいでしょうが、残されたこちらは肩身が狭い思いをしております。

ご結婚のご予定はいつ頃でしょうか。美沙さんの年には私はもう——。

母からだった。毎年来る。美沙は出していない。それでも来る。

理解してた。頭では。

母もかわいそうな人だって、わかってた。わかってたのに、体が震えた。涙が止まらなかった。

なんで。なんでまだこんなに苦しいの。

私、もう終わらせたんじゃなかったの。

「忘れろ。終わったことだろ。しょうがないじゃないか。」

友人にそう言われた。悪気はない。わかってる。

でも美沙はそうできない自分を責めた。何年も、何年も。

頭の理解と、腑に落ちるは、違う。

夢の中の階段

東京の外れの、誰も知らない小さな部屋で、美沙は毎日夢を見ていた。

夢日記をつけていた。

実家には連絡しない。電話もしない。年賀状も出さない。

占い電話はかけても、実家には相談しない。そういう生活だった。

田舎を飛び出して、上京して、2、3年が経っていた。

孤独だった。でも実家にいる方がもっと孤独だった。

あの場所にいると、自分を表現できなかった。だから出た。

ある日の夢。美沙は階段を見ていた。

古い木製の、狭い階段。美沙はその脇の空中に、ふわりと浮いていた。

体があるのかないのか、わからない。ただそこで見ていた。

たぶん、母が幼少期に住んでいた場所だと思う。

夢の中で、美沙はその時代に連れて行かれていた。

上から声が落ちてくる。祖母の声だった。荒く、鋭く。娘の名前を呼ぶ。

下から母が答える。当然のように。抵抗せず。

美沙はその中間で、ただ見ていた。

上から落とす。下が受け止める。

これだ、と思った。ずっとこれが続いてたんだ。

先祖から流し込まれてきたもの

祖母は働き詰めだった。

祖父は身体が弱くて、家計を支えていたのは祖母だった。

生きるので精一杯。

間借りするような場所に住んでいた、と後から聞いた。

人が住むのに「住まわせてもらってた」って、おかしくない?

それが当たり前になっている。疑うことすらしない。

祖母の顔が険しかったのは、そういうことだ。

美沙が知っている祖母は違う。

きれい好きで、穏やかで、家がいつも整っていて、大好きだった。

でも夢の中の祖母は、別の顔をしていた。

生きることに削られた顔。余裕なんてどこにもない、ただ必死な顔。

その祖母が、娘に荒い声を落としていた。

母は中卒だった。就職しなければならなかった。

たとえ勉強ができたとしても、女だから。時代だから。

父方の親戚は農家で、女に教育は要らないという空気があった。

美沙も高卒で就職が当然と思われていた。

女は犠牲になるもの。それが当たり前の時代。

誰も疑わなかった。疑えなかった。

祖母から母へ。母から美沙へ。

上から落とす。下が受け止める。当然のように。

これがコードだった。

母は悪意でガミガミ言っていたんじゃない。

それが普通だと思っていた。疑ったことすらなかったと思う。

祖母もそうだった。

誰も悪くない。

みんなコードの中で、ただ生きていた。

抵抗したから、苦しかった

でも美沙は抵抗した。

だから苦しかった。

流れに逆らうって、それだけで消耗する。

理解されない孤独がある。

お正月に、いや、いつも引き戻される。

終わらせたはずなのに終わらない、あの感覚がある。

でも今ならわかる。

抵抗したのは、正しかった。

先祖に光が差し込んだ

あるとき、自分で家系のクリアリングを始めた。

他の人にやってもらっていた頃は、何も感じなかった。

自分で編み出してやってみた。そうしたら、届いた。

一気に軽くなった気がした。

肩に乗っていた何かが、すうっと消えていく感じ。

ご先祖さま方がニコニコしているのがわかった。

時折唱えていた般若心経。

以前よりずっと深く響くようになった。

声が、遠くまで届いていく感じがした。先祖のいる場所まで。

先祖に光が差し込んだ感じがした。

美沙のDNAに、光が入った感じがした。

私で終わり。

先祖代々流し込まれてきた、女性の犠牲のコード。

上から落として、下が受け止める、あの連鎖。美沙の代で終わる。

今も毎日、母に遠隔ヒーリングを送っている。

父にも、弟家族にも。

受け取ってもらえるかはわからない。

うちはそういうの怪しいって思う家だから。

でも祈りとして、続けている。

母に愛を。先祖に愛を。

あの働き詰めの祖母から、身体の弱い祖父から、悔しさを抱えた母から——いい遺伝子をもらっていた。

今、気づいた。

感謝よね。

あなたの家系にも、流れ込んできたものがあるかもしれない。

ネガティブなものは、あなたが終わらせるため。

ポジティブなものは、感謝して受け取るため。

光は、必ず届く。

光は、先祖まで届いた。

次は、今日を生きる美沙の番だった。

📖 第8話へ → コードを切った瞬間、体が勝手に動いた

📖 第1話から読む

この話のまとめ

家系のコードは、当たり前として流し込まれてきたものがある。

上から落とす。下が受け止める。それだけのことが、何代も続いた。

気づくことが、最初の一歩。

自分で終わらせると決めることが、次の一歩。

先祖への愛と感謝が、光になる。

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